「放生(ほうじょう)」という言葉を聞いたことがありますか?これは、市場で売られている生き物(主に食用として売られている)を購入し、自由に逃がしてあげる行為です。
今回は、実際に中国の「花鸟市场(huā niǎo shì chǎng)」というペット市場で放生を体験してきました。撮影は焦ってできなかったのですが、以前の動画があるので、そちらもぜひご覧ください。
放生する生き物は、その土地で生きていけるものでなければなりません。生態系の影響を考え、適切な判断が必要です。特にその地域で獲られた生き物を放すのが理想的です。
動画もあるので、ぜひあわせてご覧ください!
見慣れた鳥と犬の鳴き声
市場の奥まった場所では、ケージに入れられた犬の可憐な鳴き声が響いていました。もちろん、悪臭もひどいです。
さらに歩いていくと、見慣れた生き物を発見しました。中国でよく見かけるハトが売られていたのです(中国語では「鸽子:gē zi」)。

匂いが強く、抜けた羽が舞い散っていて、正直近づきたくはありませんでした。しかし、ハトなら放生しても問題ないと思い、おばちゃんに尋ねると、「ここらへんで獲った野生のハトだよ」と答えてくれました。

ハトの値段はいくら?購入体験談
値段は1羽90元(約1,950円)でした。2羽買うと安くなると言われ、170元(約3,700円)にしてもらいました。少し高いと思いつつ、2羽を自由にしてあげることに決めました。
おばちゃんは一番上のケージにいた大きなハトを勧めてきました。取り出した後、羽を切ろうとしたので、何度も切らないようお願いしました。






ハトを購入して放生するまでの流れ
飼育する人にとっては、飛べない方がいいのかもしれません。また、食用として使うこともあるのでしょう。
さらにおばちゃんが2段目にいる別のハトを指差しました。カメラを向けると、そのハトはカメラ目線に。

動画にもある通り、2羽を小さな箱に入れました。空気穴を開けたものの、ハトに刺さらないか心配で、「もういいよ」と何度も言いました。
動画にあるとおり、二羽をこの小さな箱につめます。





予算が少し余ったからカメを購入
「放生したい」と妻に言ったら、200元をくれました(笑)。ハト2羽を170元で買ったので、予算が30元余りました。
ハトを持って焦りながら市場を回っていると、クサガメを発見しました!(ピントがずれていてすみません…)

このサイズのクサガメは1匹25元(約550円)で、2匹で50元でした。予算オーバーですが、買ってしまいました(笑)。

予算オーバー!その後の対応とは?
さらに、大きなアカミミガメ(ミドリガメ)は600元(約13,250円)、大きめのクサガメは200元(約4,400円)でしたが、それは買いませんでした。
ちなみに、クサガメは中国語で「草龟:cǎo guī」、ミドリガメは「巴西龟:bā xī guī」と呼ばれています。
いざ放生!成功と失敗のポイント
ハトの入った紙箱とカメの入った袋をぶら下げて、水辺に急ぎます。箱の中ではバタバタ音がしており、カメは袋から丸見えで、歩きながら何人かに見られました(笑)。

ハトを解放する瞬間
まずはハトを解放します。箱を開けると、ハトはこちらを見ましたが、なかなか飛び立ちません。



手を添えてみると、すぐに飛び立ちました。小さな箱の中で窮屈だったので、解放できてよかったです。



1羽は飛び立ちましたが、もう1羽は木の上に止まったまま。しばらく見守っていると、今度はカメラが追いつかない速さで飛び立っていきました。

そして1羽は飛び立ったのですが、もう1羽は木の上に止まったままです。

カメを解放する感動の瞬間


次はカメを解放します。売られている時も水槽に水が入っていなかったので、すぐに水に入れてあげました。最初は動かなかったものの、徐々に水に慣れていきました。



その時、遠くから男性がこちらを見ていました。カメが盗まれて転売されてしまっては意味がないので、しばらく見守ることに。



放生後の見守りとお裾分け体験
カメはしばらく水辺から動かず、1時間ほど経つと姿が見えなくなったので、安心してその場を離れました。座っていたベンチの下にアリがいたので、愛犬cocoのおやつを細かくしてお裾分けしました。カメを放した水辺にもおやつをまきました。
きっと、放生したハトやカメたちにもご加護があることでしょう。川にもおやつを少し撒き、魚やカメが食べるかなと思いながら、最後に「カメをお守りください」とお願いしておきました。
なかなか逃げないハト、その後どうなった?
しばらくその場にいましたが、木に止まったハトは少し羽ばたいたものの、また木に戻ってしまい、なかなか飛び立ちませんでした。



日が暮れてきたので、帰ることにしましたが、ハトさんはやはりそのまま木に止まっていました。少し心配ですが、きっと自分のタイミングで飛び立つことでしょう。
手軽にできる放生の方法とは?
以前妻の実家でカエルをもらったのですが、
後日逃がしてあげました。



養鶏場に行った時は、ワナにかかった小鳥をもらいました笑
それも逃しましたね。
放生をしようと思って買ったわけではないので、放生と言えるかわかりませんが、今思えば逃してあげてよかったと思っています。
ミミズを使った放生のメリットと方法
実は、手軽にできる放生として「釣具屋で売っているミミズ」を使う方法があります。
ミミズを釣りに使う人が多いため、そのミミズを買い取って放生すれば、その日に釣られるはずだった魚も救えるというわけです。
実際、ボクもやってみました。

釣具屋でミミズを1カップ(約50円)で購入し、全部買っても数百円程度でした。
このときが人生で初めて「放生するために生き物を買う」という経験でした。
思わぬ出会いと心温まるエピソード
お寺の跡地のような場所に行き、そこで住んでいた一家に事情を話すと、
「ミミズの放生なんてあるんだ」と驚かれましたが、快く許可してくれました。
さらに「ここがいいんじゃない?」と一緒に場所を探してくれたり、
穴を掘っているときには水を持ってきてくれたりと、とても親切にしてくれました。
とても良い思い出です。
日本で放生はできるのか?法律と注意点
日本では、外来種を自然に返すことが法律で禁じられています。
また、同じ種類の生物でも「住んでいる地域が異なるもの」は放生できません。
たとえば、A市のメダカをB市の池に放すこともダメだということですね。
正直なところ、大量でなければ生態系に影響はないような気もしますが…どうなのでしょう?
こうなると、日本では放生が難しそうですね。
放生に関する詳しい法律はこちら
日本では、動物を自然に放つ「放生」に関して法律が存在し、安易に実施することはできません。放生をする際に気をつけるべき法律や注意点を解説します。
1. 外来生物法に注意
外来種を野外に放つことは、「外来生物法」により禁止されています。
たとえば「アカミミガメ(ミドリガメ)」や「ウシガエル」など、特定外来生物に指定されている生き物を自然環境に放つと、5年以下の懲役または500万円以下の罰金が科される可能性があります。
放生したいと考える生物が外来種に該当しないかを必ず確認しましょう。
2. 自然環境保全法・生態系維持に関する注意
外来種でなくても、生態系に悪影響を及ぼす可能性があるため、同種であっても異なる地域の個体を放すことは望ましくありません。
例えば、A市にいるメダカをB市の池に放すのも、遺伝子汚染のリスクがあり問題視されています。
生息地が異なる生き物を放つと、生態系を乱し在来種を圧迫することになりかねません。
3. 水産資源保護法
魚類など水生生物を放生する場合、水産資源保護法の規制も注意が必要です。
特に河川や湖沼での放生は、漁業権が関係するため、勝手に放すと違法になる可能性もあります。
4. 動物愛護管理法
動物を適切に管理せずに放つことが「遺棄」と見なされる場合もあります。
たとえば、飼育していたペットを自然に返すと、動物愛護管理法違反として問題となる可能性があります。
海やミミズなら大丈夫?
海の生き物なら放生できるのでしょうか?
また、ミミズの場合はどうなんでしょうか?
もし詳しい方がいらっしゃれば、コメントで教えていただけると嬉しいです!
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